山水画(さんすいが)の掛け軸買取を実施中!【SATEeee掛け軸買取】へ

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1.山水画作品を売りたいお客様へ

山水画とは、その名の通り山や水(河川)などの自然を題材とした絵画のジャンルのひとつです。現実の風景を再現しようとする作品もありますが、創造した景色を描写することが多いです。とりわけ日本人作家における山水画には四季を感じられる作品が多く長い間、掛け軸作品として描かれ親しまれてきました。骨董価値の高い山水画作品の特徴や歴史を交えながら査定のポイントについてまとめました。

このページの目次

2.山水画についての解説

山水画は人物画、花鳥画とともに、東洋絵画の三大部門のひとつです。山河などの自然を題材にした絵画であるものの、創造の世界が描かれることが多く単なる風景画とは異なる存在です。また、山水画法は平遠、高遠、深遠の三遠法を用いて描かれます。三遠法とは、下方から山の頂上を見上げる構図の高遠、前山から後方の山を眺望する構図の平遠、山の前方から背後をのぞきこむ構図の深遠から成り、この技法により山河の高低や奥行きを表現することができます。

3.山水画についての歴史

7世紀から8世紀にかけて中国山水画の影響を受け日本の山水画は発生、発展しました。9世紀末頃には日本独自の展開をみせ、名所絵や月次絵(つきなみえ)など、日本風景を描写することが好まれるようになります。この際、男女における風俗や四季折々の風景を山水画に加えたスタイルが確立され、鎌倉時代まで受け継がれました。14世紀以降になると、禅林の画僧を中心に起源となる水墨山水画に立ち返り、日本の山水画の流れを一変させます。その後、江戸時代には実際の風景を写生する指向が色濃くなり、流派間の対立を越えて日本における山水画の伝統を根強いものとしました。これが契機となり日本山水画における伝統は、近代の風景画へと受け継がれていくこととなりました。

4.山水画作品の特徴について

日本での山水画はその時代によって、画風や技法が異なってきますが、日本独自の作風として確立されたのは室町時代中期以降とされています。雪舟や周文の登場により、中国からの影響を受けつつ、西欧の風景画にみられる真景描写も取り入れることで日本山水画は発展していきました。このようにして、中国の山水画では山に重点を置いて描くのに対し、日本では情景を彷彿とさせ四季を表現するような作品を残していくこととなります。また質素に水墨で描くことに徹底した中国山水画に比べて、日本の山水画はやや派手に装飾されている作品も多く「鑑賞」のための山水画として発展しました。

5.山水画作品の買取査定ポイント

日本人作家が手がけた山水画の掛け軸は、床の間を彩る芸術品として人気があります。季節ごとに掛け替えることで座敷の雰囲気を変えることができるので、現代においても需要は高いです。作家によって作品の価値は異なり、真作であるかどうかも大きなポイントです。また保存状態は良いか、制作された年代やタイトルがはっきり分かっているかなども作品の査定ポイントにあてはまります。

代表的な査定ポイント
  • 真作であるか(有名作品の偽物や贋作が多く出回っています)
  • 作家の署名・落款(らっかん)があるか
  • 保存状態は良好であるか(破損・汚損が目立っていないか)
  • 購入時期や金額、入手経路がわかっているか
  • 付属品が揃っているか
  • 掛け軸のサイズ(高さ、横幅をご確認ください)

6.代表的な山水画作家の買取相場価格について

山水画の掛け軸は作品の出来栄え、画題や保存状態などによってその価格帯は幅広く、数千円のものから数億円のものまで存在します。制作年の古い作品ほど保存が難しく、現存する作品は希少価値が高くなる傾向にあります。また作家が著名な人気作家であればより高額な査定も期待できるでしょう。

川合 玉堂 作 『蓬莱山水』 

川合玉堂は多作で知られ、現在の美術骨董市場でもかなりの数の作品が取引されています。オークションに出品された川合玉堂の山水画『蓬莱山水』はサイズが125.8cm×42.4cmで、玉堂美術館の登録品であったことから250万円という高額の落札結果になりました。真作商品であれば100万円~200万円の高値がつくことも珍しくなく、作品の種類によっては1千万円以上の値がつくこともあります。

谷 文晁 作 『淺絳山水双松写居図』

白河藩主松平定信付の御用絵師であった谷文晁ですが、市場に山水作品が出回ることは多くありません。谷文晁は南画家として大成したことから、谷文晁の純粋な山水画は珍しく、その希少価値から価格は上がりやすいと言えるでしょう。谷文晁の『淺絳山水双松写居図』はオークションで370万円の高値がつきました。絹本、軸装、左上に落款・印があり、サイズは125.5cm×56.0cmで軸寸が212.5×83.0cmの条件で出品された作品です。このほか、美術館からの出品物、鑑定書付きの作品であれば、総じて100万円以上の高値で取引が行われています。

竹内 栖鳳 作 『水墨山水』

竹内栖鳳はオークションでも取引数の多い作家ですが、竹内栖鳳の山水画について市場では取引例が少なく希少価値は高くなります。落款・印があり、サイズが26.8cm×23.9cmの竹内栖鳳の作品『水墨山水』は25万円で落札された実績もあります。高額査定の条件は鑑定書があることで、作品の種類や保存状態にもよりますが鑑定書があれば70万円~80万円での落札につながっています。

7.山水画作品の買取についてのまとめ

日本人作家における山水画の取引相場価格は、掛け軸に描かれた主題、また制作された年代によって大きく変動します。山水画の掛け軸の歴史は長く、世界中に愛好家がいるため査定額も期待ができるでしょう。贋作も多いことから確実に真作証明ができること、また有名作家のもの、保存状態の良いものであれば高額査定の可能性があります。

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