徳岡神泉作『菖蒲』の掛け軸買取を実施中!【SATEeee掛け軸買取】へ

1.徳岡神泉作『菖蒲』を売りたいお客様へ

徳岡神泉は大正から昭和にかけて活躍した日本画家です。竹内栖鳳の画塾竹杖会と京都美術工芸大学に学び、優秀な成績を修めました。しかし卒業後は文展での落選が続き、神泉は芸術的苦悩に長く彷徨します。初期の作品では刻明な写生を追った傾向がありましたが、やがて画面は写生を超え、一種象徴的画境に達した独自の近代日本画を完成させました。『菖蒲』は神泉が昭和期に陥ったスランプを脱却の機となった作品です。この作品は政府の買上げとなるなど高い評価を受けました。

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2.徳岡神泉作『菖蒲』についての解説

神泉は昭和10年に「説明的な構図の絵しか描けない」と悩みを深め、帝展への出品を止めてしまいました。しかしその4年後、昭和14年第3回新文展に出品した『菖蒲』で復活を遂げます。そこには簡略化された構図の、無駄のない静謐な装飾的画面がありました。『菖蒲』では対象の省略と本質の姿を見抜いた単純化がなされ、提示する試みがなされています。こうした追求が神泉芸術で語られる象徴的な空間を生み出す土台となっていきました。

3.徳岡神泉作『菖蒲』の作品の特徴について

徳岡神泉の『菖蒲』は周りの風景や虫などの説明的なモチーフは一切省かれ、対象の菖蒲だけが描かれています。水面のような雰囲気の足元から葉と茎がスッと伸び、淡い紫と白の菖蒲が5~6本、白い菖蒲が手前に1本、幽玄な中に咲いています。菖蒲の花びらと濃い緑の葉の対照がひきたち、深い画面構成となっています。

4.徳岡神泉作『菖蒲』の買取相場価格について

徳岡神泉の『菖蒲』は現在、東京国立近代美術館のほか、新潟県の敦井美術館などに収蔵されています。この画題は季節感もあり、多くに好まれる画題として市場でも需要の高い作品となっています。オークションでの作品の落札例をあげると、同名の『菖蒲』が640万円で落札された例がありました。落札予想600万円~800万円とされた縦45.7cm×横31.3cmの紙本彩色の額装作品で、この作品は左下に落款・印があり、共箱付のものでした。

5.徳岡神泉作『菖蒲』についてのまとめ

徳岡神泉は青年期に長い芸術的苦悩の末、独自の象徴世界に到達しました。生涯、身近な自然をモチーフとして描き続け、昭和32年日本芸術院会員、同41年には文化勲章を受章しています。画家として最高峰に至った徳岡神泉の作品は、真作ならばかなりの高値が付くでしょう。もし、徳岡神泉の作品をお持ちでしたら、ぜひ一度専門家の査定を受けてみることをお勧めいたします。