上村松園作『人生の花』の掛け軸買取を実施中!【SATEeee掛け軸買取】へ

1.上村松園作『人生の花』を売りたいお客様へ

上村松園は近代の京都にあって、清楚なうちに繊細な感性をひそめた美人画を描いた閨秀画家です。造形的な美しさと高い気品を作品に与え、美人画を近代芸術として引き上げました。この作品は『花ざかり』という画題の作品とも重なることが多く、同様の構図の作品が複数残されています。どちらも花嫁とそれに付き添う母の姿が描かれており、松園の出世作となった評価の高い作品です。

このページの目次

2.上村松園作『人生の花』についての解説

上村松園の『人生の花』は明治32年に発表した初期の代表作です。翌年、ほぼ同じ構図で描かれたと思われる『花ざかり』(現在所蔵不明)が第9回絵画共進会で二等銀牌を受賞し、画壇に認められるきっかけとなりました。松園は未婚のまま母となり、婚礼を挙げていなかったため、嫁入り姿を母に見せてあげたかったという思いもこの絵に込められていたようです。後に、「私の青春の夢をこの絵の中に託したもので、私にとって終生忘れ得られぬ一作」(『青眉抄』)とこの画のことを記しています。同様の作品は愛知県の名都美術館や京都市美術館などに収蔵されています。

3.上村松園作『人生の花』の作品の特徴について

『人生の花』は花嫁と、それに付き添う母の姿を描いた作品です。この画は、松園が実際に花嫁衣裳の支度を手伝った体験をもとに制作されました。背景には何も配せず大きく人物をとらえ、着物の質感や帯の柄、髪に挿した飾りまで細やかに描かれています。手前に描かれた花嫁は、家紋入りの黒い振袖に華やかな帯を締め、角隠しを被った明治末期の一般的な婚礼の装いをし、少しうつむき加減で緊張をにじませた様子です。母親は前を見据えて娘の半歩前に身を置き、向かって右側から左側へ先導しています。

4.上村松園作『人生の花』の買取相場価格について

上村松園は『人生の花』、あるいは『花ざかり』という画題で婚礼を題材とした作品を数点は描いており、真作の何点かはすでに美術館等に収蔵されています。これらと同様に花嫁を描いた作品は多く描かれていますが、オークションでの落札例を挙げると『花嫁の図』という作品が3,100万円の値で取引されていました。この作品は絹本着色の軸装で、縦110cm×横41.9cm、明治35年頃の制作で、右横に落款と印、共箱付、東京美術倶楽部鑑定委員会の鑑定証書が付き、さらにこの作品は『上村松園画集』(No.26)に収録されており、オークション主催者側では1,000万~1,500万円の落札予想がされた作品でした。

5.上村松園作『人生の花』についてのまとめ

現在、新古美術品展覧会に出品した『人生の花』や絵画共進会に出品した『花ざかり』の所在は不明となっています。画を確認できないため、同名でも上記にご説明したような構図とは異なる作品が存在している可能性もあります。いずれにせよ、ハレの日を描いた人気の高い作品ですので、真作であればかなりの高額査定が期待できるでしょう。松園の作品をお持ちの場合、ぜひ一度査定にだしてみることをお勧めいたします。