横山大観作『瀟湘八景』の掛け軸買取を実施中!【SATEeee掛け軸買取】へ

1.横山大観作『瀟湘八景』を売りたいお客様へ

横山大観は明治から昭和にかけて活躍した日本を代表する画家です。菱田春草とともに「朦朧体」と称された没線描法を試みて日本美術界に革新をもたらし、近代化を促しました。大観の『瀟湘八景』は独自の解釈と試みを示した記念的作品とされています。瀟湘八景とは、古より多くの画家に描かれてきた中国山水画の伝統的な画題で、日本でも好んで描かれました。

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2.横山大観作『瀟湘八景』についての解説

大正元年第6回文展に出品された『瀟湘八景』は、現在重要文化財に指定されています。この作品は明治43年に寺崎工業らとともに旅した中国で得た成果でもありました。古来東洋に親しまれたこの主題は多く横幅に描かれてきましたが、大観は縦幅に画面を使っています。作風は色彩も明るく、今までにない水墨表現で新しい感覚の作品を完成させました。この『瀟湘八景』を評して、夏目漱石は「気の利いた様な間の抜けた様な趣」があると述べたそうです。 

3.横山大観作『瀟湘八景』の作品の特徴について

横山大観の『瀟湘八景』を描いた八幅で構成された縦幅の掛軸作品です。瀟湘八景とは中国湖南省に属する風光明媚な水郷地帯の8つの名所を描いた画題ですが、大観はそれをそれぞれ「遠浦雲帆」「瀟湘夜雨」「烟寺晩鐘」「山市晴嵐」「漁村返照」「洞庭秋月」「平沙落雁」「江天暮雪」として2幅づつ春夏秋冬に振り分け、八幅対の構成としました。また伝統的な表現が平遠山水であったのをほとんど無視し、縦長の画面に描かれた点も斬新でした。縦幅でありながらも『平沙落雁』図では童子が乗って走行する牧牛の動きによって横への広がりを感じさせるような構図をとるなど、従来のものには見られない自由な発想と親しみやすさが感じられる作品になっています。画題にも細かな工夫があり、『遠浦帰帆』を『遠浦雲帆』、『漁村夕照』を『漁村返照』と題しています。

4.横山大観作『瀟湘八景』の買取相場価格について

横山大観の『瀟湘八景』は、東京国立博物館(重文)や茨城県近代美術館などに収蔵されています。前述の『瀟湘八景』は八幅対で収蔵されていますが、市場では一幅での取引も多く行われています。オークションでの落札例をあげると、瀟湘八景のうち『洞庭秋月』の額装作品が310万円で落札されています。これは縦47cm×横57.3cmの絹本水墨で、右下に落款と印があり、横山大観記念館登録有りの作品で、落札予想200万円~300万円とされたものでした。

5.横山大観作『瀟湘八景』についてのまとめ

横山大観は明治・大正・昭和の三代にわたって革新的な日本画の改革運動を推進し、不動の地位を確立した日本画壇の大御所です。大観の真作であれば、かなりの高額取引となるでしょう。大観は本作のほかにも、いくつか『瀟湘八景』を発表したとされています。もし作品をお持ちの場合には、ぜひ専門家の査定を受けてみることをお勧めいたします。