絵伝(えでん)の掛け軸買取を実施中!【SATEeee掛け軸買取】へ
1.絵伝作品を売りたいお客様へ
絵伝とは、社寺の縁起や高僧の伝記などを、連続する絵と詞書きで示したものです。絵の部分を抜粋し掛軸にした作品は、現在でも需要があり高額で売買されています。本記事では日本人作家が手掛けた絵伝について、技法や特徴、歴史を交えて査定の際のポイントについて解説しました。
このページの目次
2.絵伝についての解説
絵伝の作品は遺存作品が多くなく、制作年度の古い作品も存在します。古い掛け軸作品では当時の綾地や彩色が残る部分が少なくなっており作品の状態・質が良好とは言えないものも多いです。絵伝は視覚的に高僧の緯業を後世に伝えることができる特徴があり、それが利点でもあります。識字率が低い時代に文字に変わって、メッセージを伝達する手段として、絵伝は役割を果たしてきました。
3.絵伝についての歴史
社寺の縁起や高僧の伝記などは古今さまざまな作品が制作されてきましたが、挿絵入りの絵伝が作られるようになったころから掛軸装の絵伝が登場しました。絵伝の作品は主に高僧の行状を描いた絵巻で、『聖徳太子絵伝』『一遍上人絵伝』などがあります。『一遍上人絵伝』は独自の踊念仏という信仰を生み出し全国を遊行して民衆の布教に努めた一遍の活動を忠実に記録しその活動のようすを絵にしたものです。
4.絵伝作品の特徴について
絵伝の最大の特徴は、掛軸装にすることで多くの人々の前で社寺の縁起や高僧の一代記を説くことができるところです。社寺で制作された絵伝は形態や描写内容が画一化されていったのに対し、社寺からの用命を受けない絵師の間では、比較的自由に発展し個性的な描写内容を持つ作品が残されていきました。
5.絵伝作品の買取査定ポイント
絵伝の掛け軸の査定で重要なことは、どの時代にどの作者によって制作された作品であるかということです。有名な作家であれば真贋の有無についても重要で、出来栄えのほか、作品の署名や落款で真作かどうかを判断されます。また、掛け軸においては画題やサイズ、保存状態が良好であるかどうかも大切なポイントです。
代表的な査定ポイント- どの時代の作品であるか
- 付属品は全て揃っているか
- 作家名が判明しているか(掛軸には落款(らっかん)と呼ばれる印鑑やサインがあります)
- 購入時期や金額がわかっているか(証明書や鑑定書があれば尚良し)
- 保存状態はどうか(シミや破れのないきれいな状態で保存されていれば、高く買取できます)
- 希少な作品であるか(欲しがる人が多いほど買取価格はあがります)
6.代表的な絵伝作家の買取相場価格について
絵伝の掛け軸の価格帯は幅広く、まずは真作であるかどうかが大きなポイントです。また保存状態は良いか、制作された年代やタイトルがはっきり分かっているかなどの一般的な骨董品の査定基準があてはまります。数千円のものから数十万円のものまで存在し、作品の出来栄え、画題や保存状態などによって価格は大きく変動します。また作家が人気のある著名作家であれば高値での取引が期待できるでしょう。
法眼円伊 作 『一遍上人絵伝』
法眼円伊の『一遍上人絵伝』は、オークションにて10万円で取引されました。この掛け軸はサイズは31.87cm×165.5cmで汚れ、ヒビ有でしたが136件の入札を集めて高値がつきました。『一遍上人絵伝』の掛け軸は今でも人気があるため10万円以上の値がつくことも珍しくありません。作者が明らかになっているもの、状態が良い作品であればさらに高値がつきやすいでしょう。
不明 作 『親鸞聖人御絵伝』
『親鸞聖人御絵伝』がオークションで取引された際には、約4万円の価格で落札されました。この作品は軸寸縦181cm×横45.5cm、本紙サイズは縦107cm×横30.5cm、絹本、彩色の掛け軸です。平安末期から鎌倉時代の激動の世を生き抜いた親鸞聖人。その親鸞聖人の生涯と事蹟のほか時代背景などを詳細に描いた『親鸞聖人御絵伝』は、貴重な歴史資料でありながら掛け軸にすることで親しみを持って鑑賞できる利点があり、数十万円以上の買取も見込めます。
芹澤銈介 作 『法然上人絵伝 第十七下山東山吉水禅房』
サイズが48cm×39cmの芹澤銈介の『法然上人絵伝 第十七下山東山吉水禅房』と名付けられた作品がオークションで取引された際には、約3万5千円程で落札されました。芹澤銈介は染色工芸家で、色彩と模様に対する天与の才能がありました。多作で知られており、染色にとどまらない幅広い仕事をし多くの人々に愛好されました。作品の種類や画題によって作品は価格が大きく変動しますが、芹澤銈介の作品は2万円前後の落札事例が多く、真作保証されたものであれば10万円を超える価格で落札されることもあります。
7.絵伝作品の買取についてのまとめ
現代において絵伝の掛け軸はコレクターの間で高値で売買され、作品の状態や種類によって高額の査定になることも多いです。もし物置などに眠っている絵伝の掛け軸がある場合には、一度査定に出してみることをおすすめします。思わぬ高値になることもあるでしょう。
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