墨蹟(ぼくせき)の掛け軸買取を実施中!【SATEeee掛け軸買取】へ

1.墨蹟作品を売りたいお客様へ

墨跡とは、日本においては禅僧の真跡のことを指します。中国では多少意味が異なっているため、日本における墨跡を「禅林墨跡」と呼んで両者を区別することがあります。墨跡は時代や国を超えて好まれ、著名な僧の墨跡であれば高価買取の可能性があります。本記事では骨董価値の高い作品の特徴や歴史を交えながら、日本人作家による墨跡の査定ポイントについてまとめました。

このページの目次

2.墨蹟についての解説

中国から伝来した墨跡はまず日本の禅僧の間に広まり、高峰顕日や南浦紹明などを経て大徳寺の開山、虎関師錬(こかんしれん)、宗峰妙超(しゅうほうみょうちょう)らが人気を博しました。いずれも中国書法の影響を受けながらも特色ある独自の書風を展開し、なかでも宗峰の書は日本で最も優れた墨跡として現在でも高く評価されています。日本と中国の往来が制限されたことで和様化が進み、墨蹟は日本の禅林や茶の湯の文化の中で発展を遂げました。

3.墨蹟についての歴史

墨跡は中国から伝来したものです。伝来の仕方は留学した日本人の僧が中国から持ち帰った墨跡と、元や清の僧たちが来朝後に書いた墨跡の2通りでした。宋や元に渡った禅僧は師匠から書き与えられた印可状、字号、法語、偈頌などを大切に持ち帰り珍重しました。その墨跡の中身はほぼ圜悟克勤の系統の楊岐派のものに限られています。一方で鎌倉時代中頃になると、幕府は禅宗を重視するようになり幕府の招聘を受け優れた中国の禅僧が来朝するようになりました。彼らは多くの墨跡を遺して日本書文化に大きな影響を与えました。鎌倉時代末から室町時代には日本の禅僧からも能書家が現れ、それまでの書風が少しずつ和様化されて独特の書法が生み出されていきました。

4.墨蹟作品の特徴について

墨跡は本来、印可状、字号、法語など法のために書かれたものであり、書として鑑賞を目的とするものではありませんでした。書いた人物と内容こそが最重視され、一般に巧拙を問題とすることはなかったのが墨跡の特徴です。各人がそれぞれ自己の人間性を表現して書法にとらわれなかったことから、千差万別な墨跡作品が生まれました。

5.墨蹟作品の買取査定ポイント

安土桃山時代から江戸時代になると、茶道の茶席の禅語一行書の掛け軸という近世日本独特の墨跡が生まれました。墨跡の掛け軸は、特に宗峰妙超や一休をはじめとする大徳寺の僧のものが珍重されてきた歴史があり、今でも需要が高いです。また、同じ作家によっても制作年代や筆法、作品の状態によって価値は大きく異なります。年代が不明の古い作品であっても高価買取となるケースもあります。

代表的な査定ポイント
  • 市場価値はあるか(有名作家の作品なら多少劣化していても高値が付きます)
  • 保存状態は良好か(補修せずにそのままお持ちください)
  • いつの時代の作品であるか
  • 掛け軸のサイズ(高さ、横幅をご確認ください)
  • 付属品の欠けはないか(共箱・共布・栞などが揃っているか)
  • 作者の署名・落款(らっかん)があるか
  • 真作(本物)かどうか(証明書や鑑定書があればなお良い)

6.代表的な墨蹟作家の買取相場価格について

作品の出来栄え、画題や保存状態などによって墨跡の掛け軸の価格帯は幅広いです。数千円のものから数億円のものまで存在し、制作年の古い作品ほど保存が難しいため希少価値が高くなる傾向にあります。また作家が人気のある著名作家であればより高額な査定が期待できるでしょう。

竺仙梵僊 作 タイトル不明

竺仙梵僊の墨蹟は、オークションにて約270万円で取引されました。この掛け軸は31.3cm×41.0cmで、紙本、添幅二、軸装作品です。竺仙梵僊は鎌倉時代末期に元から来日した臨済宗(楊岐派)の僧で、公武の帰依を受け五山文学発展の基礎を築いたことで知られています。竺仙梵僊の威風堂々たる大墨跡は市場需要が高く、真作であることが証明できれば数十万円から数百万円の買取も大いに期待できるでしょう。

清巌宗渭 作 『閑不徹』

正統派の画風で高い評価を得ている清巌宗渭ですが、オークションでの取引数は多くありません。しかしながら清巌宗渭の作品は人気があるため十数万円から200万円前後の落札事例が多く、真作保証されたものであればそれ以上の価格で落札されることもあります。清巌宗渭の『閑不徹』と名付けられた作品がオークションで取引された際には、260万円の価格で落札されました。この作品は紙本、軸装作品で、サイズは28.0cm×53.0cmです。

兀庵普寧 作 タイトル不明

兀庵普寧は、鎌倉時代中期に南宋から渡来した臨済宗の僧です。柔らかい筆致の墨跡で、気高い気韻が漂うことから市場でも兀庵普寧の作品は高い評価を得ています。サイズが31.6cm×70.7cm、紙本、軸装の兀庵普寧の墨蹟がオークションに出品された際には32万円で落札されています。もともとの落札予想価格は5万円でしたが中川一政シール、立花大亀箱ありと高額査定の条件が揃い、予想価格を27万円も上回る額で落札されました。兀庵普寧の作品は状態によっても価格が大きく変動するため、数百万円の落札になる場合もあります。

7.墨蹟作品の買取についてのまとめ

日本において墨跡は、嗣法や門派の証、また高徳の僧を偲ぶ手がかりとして大切にされ、寺院に代々伝えられてきました。墨跡の内容は禅家特有のものであることから難解なものが多いですが、迫力のある作品が多く現代でも高い評価を受けています。墨跡の掛け軸をお持ちの方は、一度査定に出されてみてはいかがでしょうか。

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