古筆(こひつ)の掛け軸買取を実施中!【SATEeee掛け軸買取】へ

1.古筆作品を売りたいお客様へ

古筆とは、平安時代から鎌倉時代にかけて書かれた和様の名筆を指します。狭義の解釈の場合、その名筆のなかでも草仮名書だけを指すこともあります。古筆は単に古代の筆跡という意味ではなく、僧による名筆は墨跡と呼ばれ区別されるので注意が必要です。日本人作家が手掛けた古筆作品をお持ちで、その価値を知りたい場合には本記事で解説した査定のポイントを是非参考にしてください。

このページの目次

2.古筆についての解説

古筆ははじめ貴族文化の中で流行り、冊子や巻物という完全な形で大切に保存、鑑賞されていました。しかし古筆愛好熱が高まるにつれて、古筆の絶対数が不足する事態に陥ります。そこで古筆は切断されることになり、切断された断簡は「切」と呼ばれ、古筆切(こひつぎれ)、歌切(うたぎれ)が誕生しました。権力、財力のある者ほど多数のコレクションを誇り、なかでも豊臣秀次は狂信的な古筆マニアであったと伝えられています。また、古筆切は保存にも鑑賞にも不便であった為、これを収納、鑑賞するための帖(手鑑)が発達しました。

3.古筆についての歴史

古筆の名前が初めて記されたのは、尊円親王(1298年~1356年)による『入木抄』の「其筆仕の様は、古筆能々上覧候て可有御心得候。」だとされています。安土桃山時代に入り世の中が落ち着くと、知識者階級において「美しい筆跡を手習の手本にしたい」「鑑賞のために手に入れたい」という声が上がり始めました。さらに、天文24年(1555年)10月の茶会で、武野紹鷗が藤原定家の『小倉色紙』を茶室の床掛けとして用いて以来、茶人達の間で古筆が流行しました。やがて古筆愛好の風潮は民間にも波及し、古筆は広く珍重されるようになりました。

4.古筆作品の特徴について

古筆の特徴として、古筆切、懐紙、色紙、詠草、短冊など多くの形状がある点が挙げられます。古筆の名品として『本阿弥切』『石山切』『高野切』などがあります。有名な手鑑には『翰墨城(かんぼくじょう)』、『見ぬ世の友』、『藻塩草』などが知られています。古筆切の需要が増え盛んに切断されるのに伴い、その古筆切の真贋を鑑定する作業が必要となり、古筆家(こひつけ)が誕生しました。古筆家の初代は古筆了佐で、一子相伝し第13代了信の太平洋戦争の頃まで古筆の鑑定に携わっていました。

5.古筆作品の買取査定ポイント

古筆の買取査定にはいくつか査定のポイントが挙げられます。とくに11世紀のものが高値がつきやすく、筆跡は美しい字形、洗練された筆使いがあり他の時代を卓越しているとされています。現在の仮名書道を志す者にとって、古筆は最高の規範、永遠の理想となっていることからも相場価格を大きく上回ることも期待できるでしょう。まずは真贋を確かめること、鑑定書の有無も重要な査定ポイントです。

代表的な査定ポイント
  • 作者の署名・落款(らっかん)があるか
  • 真作であるかどうか(証明書や鑑定書があればなお良い)
  • 付属品の欠けはないか(共箱・共布・栞などが揃っていれば査定額は上乗せできます)
  • 掛け軸の大きさ(高さ、横幅をご確認ください)
  • シミ汚れ、欠けなどがなく保存状態は良好か
  • 希少性が高い作品どうか

6.代表的な古筆作家の買取相場価格について

古筆を掛け軸に仕立てるのが盛んになるのは明治末から大正・昭和にかけての時代です。このころから巻子や冊子の歌集などが幅仕立に適する大きさに切断されはじめたといいます。作品の出来栄え、画題や保存状態などによって古筆の掛け軸の価格帯は幅広いです。数千円のものから数百万円のものまで存在し、制作年の古い作品ほど保存が難しいため希少価値が高くなる傾向にあります。また作家が人気のある著名作家であればより高額な査定が期待できるでしょう。

親鸞 聖人 作 『真宗聖教断簡』

親鸞聖人は鎌倉時代前半から中期にかけての日本の僧で、浄土真宗の宗祖とされています。親鸞聖人の『真宗聖教断簡』という作品は、オークションにて約100万円で取引されました。サイズは本紙24.5cm×14.5cm、総丈63cm×26cm、紙本、肉筆、二重箱入、時代経年による多少の劣化があるものの高値がつきました。真作と保証される作品では数十万円から数百万円の落札につながっているので、作品によってかなりの高額が期待できる作家のひとりです。

後西天皇 作 『南無阿弥陀仏』

第111代天皇であった後西天皇は、後水尾上皇から和歌等の厳しい指導を受け、書や和歌、茶華に秀でていました。オークションにて、後西天皇の紙本墨蹟六字名号『南無阿弥陀仏』と紙本墨蹟消息文の2幅の作品は91万円で落札されています。サイズは名号軸寸の幅約91cm×27.5cm、本紙寸が幅約31.5cm×15cm、消息文軸寸が幅約118.5cm×51cm、本紙寸が幅約38.3cm×49cmです。均整の取れた秀麗な筆致で、さらに格調高い高雅な表装で仕立てられた作品です。添状・書附箱・二重箱付きの真筆作品、大きな傷みはないことから高値で取引されました。

藤原定家 作 『晴れくもる』

藤原定家が遺した『晴れくもる』と名付けられた作品がオークションで取引された際には、30万円の価格で落札されました。この掛け軸は本紙が73.5cm×29cm、古筆了佐了珉了音了任極、堀江知彦鑑定箱ありという条件で出品されたものです。藤原定家の作品は、十数万円から30万円前後の落札事例が多く、真作保証されたものであればそれ以上の価格で落札されることもあります。

7.古筆作品の買取についてのまとめ

古筆は平安時代から鎌倉時代にかけての歌集、物語、経巻などを、数行または一葉に切断したものです。茶道の流行に伴い、これを掛軸に仕立て茶席などにおいて装飾用、鑑賞用として重宝されてきました。古い時代の作品や有名な作家の作品、保存状態がよく、掛け軸に欠かせない箱など付属品が揃っていれば高価買取も見込めるでしょう。

その他の掛け軸について