画賛(がさん)の掛け軸買取を実施中!【SATEeee掛け軸買取】へ

1.画賛作品を売りたいお客様へ

画賛とは、画の中の上部空白に書き込んだ詩文を指します。特に著名な作家ほど画賛を残す傾向にあり、現在でも画賛作品は価値が高く高額で売買されています。本記事では日本人作家が手掛けた画讃について、技法や特徴、歴史を交えて査定の際のポイントについて解説しました。

このページの目次

2.画賛についての解説

画讃(がさん)とは絵画用語のひとつですが、中国と日本で、指しているものが微妙に違います。中国で画讃は人物画にちなんで制作された文章のことですが、日本における画讃とは絵に添える歌や文を指します。また歌の場合、自詠でなく古歌を書く場合もあります。

3.画賛についての歴史

画讃のもっとも古い作品例は、空海が真言七祖像の上部に書いた賛(京都・東寺)です。禅僧が修行を終えた弟子に自分の肖像画(頂相)に画讃をいれて弟子に与える習慣から始まり、画讃が普及したのは鎌倉時代以降です。室町時代には賛詩を必須とする詩画軸、上部に賛のある寒山拾得などの禅画が多数制作されました。江戸時代に入ると狂歌や俳句の賛がある絵画や浮世絵も多くなっていきました。

4.画賛作品の特徴について

画賛は鎌倉時代以降に禅宗とともに日本に導入され、絵画に賛を添える習慣は次第に一般化しました。絵の筆者以外の人物が賛を付けることが一般的ですが、画も賛も同一人物が記したものは自画賛(自画自賛)と呼びます。

5.画賛作品の買取査定ポイント

画賛の査定で重要なことはどの時代にどの作者の手によって制作された作品であるかということです。有名な作家であれば真贋の有無についても重要で、出来栄えのほか、作品の署名や落款で真作証明できるかが判断材料となります。また、掛け軸においては画題やサイズ、保存状態が良好であるかどうかも大切なポイントです。

代表的な査定ポイント
  • 付属品の欠けはないか(共箱・共布・栞などが揃っているか)
  • 傷み具合はどうか(保存状態が良好であれば評価額が高くなります)
  • 希少な作品であるか(欲しがる人が多いほど買取価格はあがります)
  • 掛け軸のサイズ(高さ、横幅をご確認ください)
  • 真作であるかどうか(証明書や鑑定書があればなお良い)
  • 作者の署名・落款(らっかん)があるか
  • 購入時期や金額がわかっているか(証明書や鑑定書があれば尚良し)

6.代表的な画賛作家の買取相場価格について

画賛の掛け軸の価格帯は幅広く、まずは真作であるかどうかが大きなポイントです。また保存状態は良いか、制作された年代やタイトルがはっきり分かっているかなどの一般的な骨董品の査定基準があてはまります。数千円のものから数十万円のものまで存在し、作品の出来栄え、画題や保存状態などによって価格は大きく変動します。また作家が人気のある著名作家であれば高値での取引が期待できるでしょう。

富岡 鉄斎 作 『七福神画賛』

富岡鉄斎は明治・大正期の文人画家、儒学者で、日本最後の文人と謳われる人物です。彼の作品は生涯で一万点以上と言われていますが、『七福神画賛』という作品はオークションにて80万円で取引されました。サイズは136.0cm×66.7cmで、紙本、水墨、二曲一隻です。作品に落款、花押があるほか、鑑定証明書が付いていたこともあり高値がつきました。生涯を文人として貫き、その自由で奔放な画風で近代日本画に独自の地位を築いた富岡鉄斎の作品は、色彩感覚にあふれていることから人気があり、100万円前後の値がつくことも珍しくありません。

松尾 芭蕉 作 『蓬莱の画賛(北向雲竹画)』

江戸を出発点とし、東北、北陸を巡り岐阜の大垣まで旅した紀行文『おくのほそ道』で有名な松尾芭蕉。日本史上最高の俳諧師の一人として、多くの作品を手掛けました。サイズが31.2cm×48.9cmの『蓬莱の画賛(北向雲竹画)』と名付けられた作品がオークションで取引された際には、115万円の価格で落札されました。著名である松尾芭蕉の作品は総じて市場価値が高く、真作であることが証明できるなら数万円から数百万円以上の買取も見込めます。

竹久 夢二 作 『自画像画賛』

竹久夢二は数多くの美人画を残し、その抒情的な作品は「夢二式美人」と呼ばれています。理想の女性像を追求した一方、自分自身を描いた自画像もあり、そこには竹久夢二が抱える孤独な想いが表現されています。サイズが121.0cm×32.6cmの『自画像画賛』という作品は360万円で落札されています。紙本、彩色、軸装、右横に落款・印、東京美術倶楽部の鑑定書付の作品です。竹久夢二は市場でも取引事例は多い作家のひとりで、真贋不明な作品であれば2万円前後から落札されています。真作保証された作品であれば50万円を超える価格で買取されることも大いに期待できるでしょう。

7.画賛作品の買取についてのまとめ

現代において画賛の掛け軸はコレクターの間で活発に売買され、作品の状態や種類によって高額の査定になることも多いです。もし物置などに眠っている画賛の掛け軸がある場合には、一度査定に出してみることをおすすめします。思わぬ高値になることもあるでしょう。

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