菱田春草作『蓬莱山』の掛け軸買取を実施中!【SATEeee掛け軸買取】へ

1.菱田春草作『蓬莱山』を売りたいお客様へ

菱田春草は明治期に活躍した日本画家です。日本画の近代化を牽引する先駆者として、生涯画の探求者であり続けました。横山大観とともに明瞭な輪郭をもたない朦朧体を試みるなど、後の日本美術界に革新をもたらしています。画題の蓬莱山は中国伝説の仙境で、東海にある不老不死の仙人が住むとされた島です。吉祥画として人気が高く、古今多くの画家がこれを描いてきました。春草も『蓬莱山』『蓬莱山水』などの画題で、複数の蓬莱山の作品を描いています。

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2.菱田春草作『蓬莱山』についての解説

蓬莱山は東海の島である日本にとって縁起のよい主題であり、春草もこの画題を多く描いています。春草の『蓬莱山』は、東洋画の気韻の上に、西洋画の技法を取り入れた没骨描法、いわゆる朦朧体で描かれていますが、当時の美術界ではその真価が理解されず、この技法は酷評を受けました。『蓬莱山』は逆境のなか、己の信じる道を模索した明治30年代に描かれたものが多いようです。

3.菱田春草作『蓬莱山』の作品の特徴について

菱田春草の『蓬莱山』の多くは縦幅の掛軸作品です。蓬莱山の稜線は朦朧体の特徴といえる画法で輪郭線を省いて描かれています。険しく切り立った山々が立ち並ぶ山容でありながら、柔らかな筆致の淡い色彩が施されたその姿は、仙境にふさわしい神秘的な雰囲気をまとっています。ほかにも手前が海であったり、松や鶴などが配されたりと、さまざまなバージョンがあります。

4.菱田春草作『蓬莱山』の買取相場価格について

菱田春草の『蓬莱山』は、石川県の七尾美術館や長野県の飯田市美術博物館ほかいくつかの美術館に収蔵されています。オークションでの落札例をあげると、落札予想2,300万円~3,000万円とされた縦110.8cm×横39.9cmの紙本彩色の軸装作品が2,300万円で落札されたものがありました。これは左下に落款と印があり、横山大観の箱書と菱田春夫鑑定証書付で、「菱田春草」(No.41)に掲載された作品でした。このように、真作であればかなり高額での取引が予想されます。

5.菱田春草作『蓬莱山』についてのまとめ

『蓬莱山』は縁起もよく、需要が高い画題です。菱田春草の真作ともなれば数千万円の高額査定も期待できるでしょう。春草は、横山大観らと苦境を共にし、新しい日本画を開拓しながら早逝した美術史学的にも注目される存在です。作品をお持ちの場合には、ぜひ専門家の査定を受けてみることをお勧めいたします。