村上華岳作『拈華観音』の掛け軸買取を実施中!【SATEeee掛け軸買取】へ

1.村上華岳作『拈華観音』を売りたいお客様へ

村上華岳は主に大正時代から昭和初期にかけて活動した日本画家です。はじめ土田麦僊や小野竹喬らと国画創作協会を結成し、中心的画家として華々しく活躍しました。しかしやがて画壇との接触を断ち、芸術があるべき姿を純粋に追求する道を選択します。ひとり画室にこもり、求道者のごとく静かにその画境を深めていきました。『拈華観音』は華岳の高い精神世界が昇華された、代表作の一つといえましょう。

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2.村上華岳作『拈華観音』についての解説

描くこと、生きることに真摯であろうとした華岳は「制作は密室の祈り」との言葉を残しました。華岳の仏画は、彼が求め続けた純粋な精神のもっとも直接的な表象とされています。『拈華観音』は内省と思索の末に得られた、荘厳な精神世界が映し出された作品といえましょう。華岳は観世音菩薩をモチーフに生涯多数の作品を制作していますが、晩年の作品は特に評価が高く、華岳の代表的作品に挙げられます。

3.村上華岳作『拈華観音』の作品の特徴について

『拈華観音』は流れるような優美な曲線で描かれた観世音菩薩です。華岳の仏画のほとんどは、向かって左を向いていますが、この作品もやはり左を向いています。観音様のお顔は穏やかな表情で、うっすらと目を開き、薄い衣をまとって蓮華座の上にすらりと立っています。左手は胸の位置に軽く曲げ、白い小さな花を親指と中指、薬指で軽くつまみ、右手は手のひらを見せて下におろされています。華岳の描く仏は、神秘的であると同時に官能的とも評されました。

4.村上華岳作『拈華観音』の買取相場価格について

華岳の仏画は既に美術館に所蔵されているものも多く、『拈華観音』の画題では愛知県のメナード美術館や兵庫県の姫路市立美術館などにも収蔵されています。真作であればかなりの高額取引となるでしょう。観音図をモチーフとした作品の落札例をあげると、『如意輪観音図像』が落札予想6,500万円~8,500万円とされた縦119.7cm×横32cmの紙本彩色の軸装作品が9,500万円で落札されたものがありました。この作品は右下に落款・印があり、昭和9年作の共箱付で、兵庫県立美術館の「村上華岳展」に出品されたものでした。

5.村上華岳作『拈華観音』についてのまとめ

孤高の求道者として思索と煩悶を続けた村上華岳。その強く高い精神性が反映された『拈華観音』をはじめとする菩薩像は、村上華岳の作品の中でも市場での売買が盛んな画題です。真作であれば数千万円の高額査定も期待できるでしょう。作品をお持ちの場合には、ぜひ専門家の査定を受けてみることをお勧めいたします。