南画(なんが)の掛け軸買取を実施中!【SATEeee掛け軸買取】へ

1.南画作品を売りたいお客様へ

日本南画の画題は山水、花鳥、樹木、人物などが多くを占めます。華やかさを添えられることから掛け軸作品にも頻繁に用いられてきました。歴史を交えながら日本南画についての査定ポイントをまとめました。南画の作品をお持ちの方は参考にしてください。

このページの目次

2.南画についての解説

南画とは、中国の絵画のジャンルの一つである南宗画の略称です。18世紀頃の日本では狩野派が衰退しつつありましたが、中国の南宗画のスタイルを吸収しながら日本独自の絵画様式に発展させた日本南画のジャンルが築かれました。日本水墨画では「気韻生動、写意」を第一としますが、日本南画はそれに加えて「逸品、逸格、去俗」を重要視することが特徴です。教養ある文人が嗜んだ余技的な絵画として発展し、絵画と書、漢詩を一体化させたりするなど絵画で詩的な世界をつくりあげました。

3.南画についての歴史

中国南宗画は17世紀に、明の莫是龍を受け継いだ董其昌の画論『画禅室随筆』で流布したことが起源と言われています。その後日本に伝来し、江戸時代中期以降、日本的解釈で発展し日本南画というジャンルを確立しました。始まりは日本初期の文人画家の祇園南海(紀州藩儒官)や柳沢淇園(甲府藩家老の子)からとされており、後に池大雅、与謝蕪村により大成されました。さらに浦上玉堂、谷文晁、田能村竹田、山本梅逸、渡辺崋山らによって日本南画は江戸時代後期の一大画派となりました。全く同じ意味合いではありませんが日本南画を文人画と呼ぶこともあり、また南画に対して室町漢画や狩野派などを北画という場合もあります。

4.南画作品の特徴について

日本南画の特徴は、凹凸をぼかしで表現する「皴法(しゅんぽう)」の一種を用いることです。指先や爪で描く「指墨画」もよく用いられています。池大雅の有名作品『柳渓渡渉図』も筆ではなく指や爪に直接墨を付けて描かれています。細かく描きこまれていてとても指で描いたとは思えないほどですが、木の葉を表す点描などに指ならではの表現を見ることができます。江戸時代後期に入ると西洋画の技法も取り入れられこそしましたが、日本南画は絵画技巧よりもその内容の豊かさが重視されてきました。

5.南画作品の買取査定ポイント

需要の高い日本南画の作品としては、有名作家や状態の良い作品が挙げられます。また、同じ作家によっても制作年代や筆法、主題によって価値は大きく異なります。年代が不明の古い物でも、高価買取となるケースもあります。

代表的な査定ポイント
  • 真作であるか(贋作が多く出回っています)
  • 作家の署名・落款(らっかん)があるか
  • 破損・汚損が目立っていないか
  • 購入時期や金額、入手経路がわかっているか
  • 付属品が揃っているか
  • 掛け軸のサイズ(高さ、横幅をご確認ください)

6.代表的な南画作家の買取相場価格について

作品の出来栄え、画題や保存状態などによって南画の掛け軸の価格帯は幅広いです。数千円のものから数億円のものまで存在し、制作年の古い作品ほど保存が難しいため希少価値が高くなる傾向にあります。また作家が人気のある著名作家であればより高額な査定も期待できるでしょう。

浦上 玉堂 作 『風雨釣艇図』 

浦上玉堂の作品は種別を問わず、オークションで出品数そのものが少ないです。日本橋三越で昭和45年に行われた「浦上玉堂名作展」出品作であった『風雨釣艇図』はサイズが26.2cm×34.7cm、真作保証があったことから370万円で落札されました。また、過去の実績では書画が80万円で取引されたこともあります。

小川 芋銭 作 『河童』

オークション市場において小川芋銭の作品は、掛け軸だけでなく扇面や色紙など様々な作品の出品があります。小川芋銭の南画掛け軸の買取相場価格は、70万円~150万円ほどです。紙本、水墨 、軸装、サイズが113.0cm×32.0cmの小川芋銭『河童』は150万円で落札されました。作品右下に落款があり、真作の証明ができたことが高額落札につながりました。取引相場価格は保存状態や作品の種類によって大きく変わりますが、得意とした河童をテーマとして描いた南画掛け軸作品は人気があり、頻繁に高額取引が行われています。

富田 溪仙 作 『老松碧鷹図』

富田溪仙の作品は花鳥画や風景画の掛け軸が多い印象です。富田溪仙の『老松碧鷹図』は135.8cm×42.4cm、絹本、彩色、軸装という条件で出品され、落札予想価格の2倍の100万円で取引されました。狩野派、四条派だけでなく、仏画、禅画、南画、更には西洋の表現主義を取り入れた画風で知られる富田溪仙ですが、特に自在で奔放な筆遣いで描いた花鳥画作品は10万円のものから100万円前後の高値が付きます。

7.南画作品の買取についてのまとめ

日本南画を特徴づける魅力に、詩書画一致というものがあります。画中に詩が書かれていることがありますが、詩とそれにふさわしい書体、詩の世界を表現した絵画、これらが調和しているのが価値の高い作品であるとされています。日本南画の掛け軸をお持ちの方は、一度査定に出されてみてはいかがでしょうか。

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