杉浦 翠子(すぎうら すいこ)の作品を高価買取!掛け軸作家の査定ポイントを徹底解説!

1.杉浦 翠子の作品を売りたいお客様へ

杉浦翠子は明治から昭和にかけて、歌人として活躍した人物です。女子美術学校を卒業後、図案画家で多摩帝国美術学校の初代校長でもあった杉浦非水と結婚し、北原白秋に入門。その後アララギに入会し、多くの短歌・詩集を出版しました。市場には、詩集や短歌の掛け軸が出回っており、高額査定も大いに見込めます。

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2.杉浦 翠子についての解説

杉浦翠子の歌は、恋や反逆の思想などが思い切り表現されたものも多く、世間的にはかなり尖った歌人として認知されていました。アララギに入会していまいしたが、自己主張が強かったことなどが島木赤彦一派に疎まれる要因となり、鋭い反論を書いた末にアララギを退会。白秋系の歌誌「香蘭」に移りました。その後は社会状況を歌う歌に偏り、「短歌至上主義」で硬質の短歌を発表。戦争中の活躍は停滞しましたが、戦後は新しい境地に達し、「日の黒点」「生命の波動」「一百光年集」などの詩集を出版しました。

3.杉浦 翠子の歴史

埼玉県の川越に生まれた杉浦翠子は、岩崎紀一、サダの三女として生まれました。しかしどちらも同氏が幼いうちに亡くなり、祖母ミキに育てられるも、その祖母も死去。結局は姉てるの嫁ぎ先に身を寄せました。次兄の桃介は福沢諭吉の養子となり、実業家として一躍有名になりますが、杉浦翠子は兄の物欲主義に激しく反抗。貧しくとも精神的、詩的に生きようと、非水と恋愛結婚します。杉浦翠子の歌は非常に情熱的で、大胆な表現が多いながらもいやらしいナルシシズムが見られず、戦後はその先駆的意義が一層評価されるようになりました。

4.杉浦 翠子の作品の買取査定ポイント

杉浦翠子の作品として市場に出回っているのは詩集や短歌の掛け軸です。詩集は、経年によるしみや紙の変色が最小限に抑えられていることが査定でのポイントとなります。一方短歌の掛け軸は、もちろん状態の良さも重要ですが、杉浦翠子自身のものであるという証明(筆致、サイン)が何よりも重要視されます。

代表的な査定ポイント
  • 希少な作品であるか(人気の高い作品であればその分買取価格は上がります)
  • 真作であるかどうか(名前の有無、筆致が本人のものと一致すること)
  • 目立ったシミや汚れなどがなく、保存状態は良好か
  • 付属品の欠けはないか(共箱・共布・栞などが揃っているか)
  • 素材の質、種類

5.杉浦 翠子の作品の取引相場価格

杉浦翠子は時代ごとに異なったカラーの歌や詩集を書いており、当時の本や、歌を書いた書画などが、多くはありませんが市場に出回っています。オークションで落札された実例については、杉浦非水が装幀を施した歌論『朝の呼吸』(初版函)が3,430円で取引された実績があります。こちらは背に日焼けと中央に大きなしみなどがあるものでしたが、状態が良ければこの値は大きく跳ね上がる可能性もあります。一方、真作を謳っている短歌の掛軸はオークション主催者側の落札予想価格で12,000円程となっており、状態の良い掛け軸であれば高額査定も期待できます。

6.杉浦 翠子の作品の買取についてのまとめ

明治から昭和にかけて、激動の人生を歩んだ女流歌人杉浦翠子。最愛の夫、非水に5年先立ち病死しましたが、それまでに残した同氏の歌や詩は同時代の世相や当時の彼女の情熱を見事に表しており、この時代を代表する歌人の1人としてその地位を確立しました。杉浦翠子の作品をお持ちの方はぜひお気軽にご相談ください。