田村 月樵(たむら げっしょう)の作品を高価買取!掛け軸作家の査定ポイントを徹底解説!

1.田村 月樵の作品を売りたいお客様へ

田村月樵(1846年~1918年)は、明治・大正期に活躍した画僧です。「月樵」の雅号で洒脱な仏画を数多く描きました。「宗立」の僧名で洋画家としても高名で、京都洋画界の先駆者としても知られています。異色の経歴を持つ画家ですが、掛け軸作品も高値で取引されています。

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2.田村 月樵についての解説

洋画家・黒田重太郎は田村宗立(月樵)について、「写真の刺激から『日本画でもなければ西洋画でもない』一種の写生画に熱中した人」と述べています。屏風に油彩を用いて描いた型破りな作品や写実的な仏画などを発表し、維新後の世に新たな画を模索しました。晩年は竹田黙雷と親しく、知恩院山内光玄院に住して、もっぱら仏画や日本画を描いて余生を過ごしました。

3.田村 月樵の歴史

田村月樵は弘化3(1846)年、丹波国園部近在に田村宗貫の子として生まれました。宗立は本名あるいは法名、別号に十方明があります。はじめ東山雙林寺の大雅堂清亮に南画を、六角堂能満院の大願律師に仏画を学びましたが、その後油絵の存在を知り洋画に転向。ドイツ人医師ランゲックやワーグマンに指導を受けました。京都博覧会に出品受賞を重ね、第1回内国勧業博覧会では油彩画で褒状を受賞。京都府画学校創立にあたっては西宗(西洋画科)担当教員を拝命。のち画塾明治画学館を設立、関西美術院創設に参加。晩年は月樵の号で日本画、仏画を描きました。大正7年没、71歳でした。

4.田村 月樵の代表作

  • 果蔬図(1864年)
  • 大徳寺焼香図(1901年頃)
  • 越後海岩図(1903年)
  • 十六羅漢図
  • 地獄図

5.田村 月樵の作品の買取査定ポイント

査定の要は真贋にあります。真作であることを裏付ける確かな落款や印、箱書、鑑定証などがあるとよいでしょう。またどのようなジャンルか、仕立てや保存状態、出品歴があるかなども査定に大きく関わってきます。

代表的な査定ポイント
  • 保存状態は良好か(褪色、シミ、カビ、虫喰いなどはないか)
  • 鑑定証や箱書があるか
  • 何が描かれているか
  • 確かな落款や印であるか
  • どのくらいの大きさか
  • どのような仕立てか

6.田村 月樵の作品の取引相場価格

田村月樵の作品はネットオークションなどで前田黙鳳との画讃屏風が280,000円で落札された例がありました。紙本水墨の鬼図と黙鳳の隷書を交互に貼り付けた六曲一双で、サイズは約174cm×約64cmが12面、状態は「シミ汚れや本紙の細かな剥落があります。また桟に少しの反りがあります」と記されていました。

7.田村 月樵の作品の買取についてのまとめ

田村月樵は多くの画技を修得し、様々なジャンルに挑戦した人物です。晩年は日本画に回帰して仏画に没頭しており、洋画家でありながら、掛け軸作品も多く市場に出回っています。田村月樵の作品をお持ちでしたら、是非一度査定に出されてみることをお勧めいたします。