吉川 観方(よしかわ かんぽう)の作品を高価買取!掛け軸作家の査定ポイントを徹底解説!

1.吉川 観方の作品を売りたいお客様へ

吉川観方は大正から昭和にかけての日本画・版画家・風俗史研究家です。幼少の頃から書や絵に親しみ、晩年には京都市から第1回文化功労賞を授けられた吉川観方は、日本画・版画のみならず日本の美術史や文化史にも精通し著作を多く残しており、その多大なる功績が認められています。作品は歴史的、市場価値共に高く人気の作家です。

このページの目次

2.吉川 観方についての解説

吉川観方(1894年~1979年)は京都市に生まれた人物で、本名は賢次郎と言います。この時代には少なくなってきた、日本画家でありながら書や和歌などにも優れた人物で、京都で育ち祇園にも親しんでいた吉川観方は舞妓の風俗などにも精通していました。日本画作品のみならず、浮世絵や時代風俗の研究や資料収集なども行い、文化史における貢献も大きく果たした作家です。

3.吉川 観方の歴史

吉川観方は、1894年、京都市に生まれました。6歳の時に岡阪鉄山より書を学んだのち、7歳で西堀刀水、竹内栖鳳に師事し、日本画を学びました。その後、和歌も学びながら浮世絵の研究を始めます。歴史学者である江馬務が創刊した『風俗研究』に古画の模写や挿絵を担当し、次第に木版役者絵を制作。1917年の第11回文展『舞台のかげ』を出品し、入選を果たします。版画作家でありながら風景画、美人画なども残しましたが、1925年以降は故実研究会における活動を中心とし、映画『大坂夏の陣』の衣装や時代考証を行うなど、活動の幅を広げました。1968年、京都市から第1回文化功労賞を授与されています。1979年、享年84にて死去しました。

4.吉川 観方の代表作

  • 加茂川舞妓夕涼図(1914年)
  • 入相告ぐる頃(1918年)
  • 初代中村鴈治郎の紙屋治兵衛(1923年)
  • 円山の夜桜(1925年)
  • 朝霧・夕霧(1948年)

5.吉川 観方の作品の買取査定ポイント

吉川観方は絵師としてよりも絵画や染織などの美術工芸品を収集したことで知られており、市場に出回っている作品は一般的な絵師と比較して多くはありません。しかしながら著名な人物ゆえ贋作も多く出回っており、掛け軸であれば共箱などの付属品も含め鑑定の対象となる可能性があります。付属品の有無も含め、吉川観方の真筆であることを証明する鑑定書などがあると査定額もアップする可能性があります。

代表的な査定ポイント
  • 吉川観方本人の作品であること(証明書や鑑定書があるとなお良いです)
  • 掛け軸であれば本紙や表紙の素材は何でできているか
  • 保存状態が良好で、オレやシミなどが多くないか
  • 付属品は揃っているか(共箱・共布・栞などが残っているか)
  • 吉川観方の署名・落款(らっかん)があるか

6.吉川 観方の作品の取引相場価格

国内の古美術店で、吉川観方の『円山の夜桜』とされる木版画に65,000円の値がつけられています。こちらはマット内法28cm×41cm、額サイズが44cm×64cm、作品に薄いしみ、額にも少し傷がありますが、鑑賞には問題ない程度、とされる条件で出品されているものです。

7.吉川 観方の作品の買取についてのまとめ

およそ30,000点にまで及ぶ美術工芸品を収集し、風俗史研究家として、日本の歴史・文化の振興に大きく貢献した吉川観方。自らも浮世絵、版画などを多く残し、多くの作品が美術館に所蔵されています。もし本人の真筆であることが証明でき、作品の状態が良いという条件が揃えば高額査定の見込みは高いでしょう。