道釈人物画(どうしゃくじんぶつが)の掛け軸買取を実施中!【SATEeee掛け軸買取】へ
1.道釈人物画作品を売りたいお客様へ
鎌倉・室町時代に盛行した道釈人物画は、長い間掛け軸などに描かれ親しまれてきました。禅宗の始祖・達磨をはじめとする祖師像などをモチーフにしていることから、現在でも価値の高い作品として高額で売買されています。本記事では日本人作家が手掛けた道釈人物画について、技法や特徴、歴史を交えて査定の際のポイントについて解説しました。
このページの目次
2.道釈人物画についての解説
道釈人物画は「道(どう)」は道教、「釈」は仏教のお釈迦さまに由来し、中国における道教および仏教に関係のある人物画を指します。仏教や道教で説かれる神仏の姿や高僧の言行といった超自然的な題材が多く、一般の人物画とは区別されています。道釈人物画は水墨画形式で描かれることが主で、出山釈迦、維摩、羅漢、達磨、寒山拾得などが多く題材にされました。
3.道釈人物画についての歴史
日本における道釈人物画の制作は、13世紀末から14世紀頃までの初期水墨画として絵仏師や禅僧が中心となって始まりました。このころ日本と中国の間で禅僧の往来が盛んになり、宋・元の新様式の絵画が日本にもたらされたことに起因し、道釈人物画は鎌倉時代に盛行しました。室町時代になって最盛期を迎えた日本水墨画ですが、この頃に描かれた水墨画のほとんどが道釈人物画であったとされています。
4.道釈人物画作品の特徴について
雪舟は山水画のイメージが強いですが、江戸時代には道釈人物画が多く遺存していたことも明らかになっています。雪舟の道釈人物画の表現は、国宝に指定されている『慧可断臂図』にみられるような太く大胆な衣紋線を用いたものが多いです。色彩を排除して墨の濃淡だけで描きましたが、その画法はまさしく禅の思想を体現していると言えるでしょう。
5.道釈人物画作品の買取査定ポイント
査定で重要なことは、どの時代にどの作者の手によって制作された作品であるかということです。有名な作家であれば真贋の有無についても重要で、画の出来ばえ、作品の署名、落款で真作かどうかを判断されます。また、道釈人物画は神仙や仏教の尊像を描いたものですから、その画題も査定額を左右します。掛け軸の素材や質、保存状態が良好であるかどうかも大切なポイントです。
代表的な査定ポイント- どの時代の誰の作品であるか
- 作家の署名・落款(らっかん)があるか
- 保存状態は良好か(破損・汚損が目立っていないか)
- 付属品は全て揃っているか
- 掛け軸のサイズ(高さ、横幅をご確認ください)
- 購入時期や金額がわかっているか(証明書や鑑定書があれば尚良し)
6.代表的な道釈人物画作家の買取相場価格について
南画の掛け軸の価格帯は幅広く、まずは真作であるかどうかが大きなポイントです。また保存状態は良いか、制作された年代やタイトルがはっきり分かっているかなどの一般的な骨董品の査定基準があてはまります。数千円のものから数億円のものまで存在し、作品の出来栄え、画題や保存状態などによって価格は大きく変動します。また作家が人気のある著名作家であれば高値での取引が期待できるでしょう。
周文 作 『東坡之像』
水墨画を本格的に習得した周文の道釈人物画『東坡之像』は、210万円で落札されました。この作品は64.5cm×31.4cm、中川一政による共シールがあったことから高値が付きました。周文は相国寺で都司職(つうすしょく)についていたほか、周文の画技は高く評価されており幕府の御用絵師でもありました。オークションでの取引事例が少なく、希少価値も高いため大変な高額査定が期待できるでしょう。
雪舟 作 『渡唐天神』
雪舟の名は山水画家として知られていますが、道釈人物画にも秀でており多数の作品を制作しました。サイズが84.9×34.2cm (181.0cm×49.2cm)、紙本、軸装、片桐石州の内箱がある作品『渡唐天神』は、100万円で落札された実例があります。人気の作家であることから作品によっては100万円以上も見込めるでしょう。雪舟のような著名な作家は特に偽物や贋作も多数流通しているので、真作証明できることが高額査定において有利な条件になります。
田能村 竹田 作 『秋渓帰漁之圖』
オークションでの取引事例は少ないですが、出品された田能村作品は10万円から上は100万円以上の落札につながっているので、高値の買取を想定できる作家のひとりです。さまざまな筆線を使い分けた田能村竹田の『秋渓帰漁之圖』はサイズが116.5cm×50.0cm、王廷章の共箱込みで130万円を超える高値で取引されました。
7.道釈人物画作品の買取についてのまとめ
道教および仏教に関する道釈人物画は日本水墨画の中でも高い評価を受けています。現代において、その掛け軸はコレクターの間で高値で売買され、作品の状態や種類によって高額の査定になることも多いです。もし物置などに眠っている道釈人物画の掛け軸がある場合には、一度査定に出してみることをおすすめします。思わぬ高値になることもあるでしょう。
その他の日本画について
お手持ちの品物名や作者などご入力し検索をすると、品物の取引相場価格や品物情報などを閲覧する事ができます。