鳥羽絵の掛け軸買取を実施中!【SATEeee掛け軸買取】へ

1.鳥羽絵(とばえ)作品を売りたいお客様へ

鳥羽絵とは「江戸の漫画」とも言われる略画体の戯画のことです。浮世絵の巨匠・葛飾北斎も卓抜した画力と軽妙洒脱な表現で『北斎漫画』を手掛けるなど、当時の人びとにとって身近な娯楽として受け入れられてきました。日本人作家が手掛けた鳥羽絵作品をお持ちで、その価値を知りたい場合には本記事で解説した査定のポイントを是非参考にしてください。

このページの目次

2.鳥羽絵についての解説

鳥羽絵は、江戸時代から明治時代にかけて描かれた浮世絵の様式のひとつで、鳥羽僧正覚猷作とされる『鳥獣人物戯画』絵巻に因んでいます。ユニークでリアルな表現を用いて笑いを誘うことから、現代でいう戯画、漫画に近いジャンルです。

3.鳥羽絵についての歴史

鳥羽絵の起源は平安時代の『鳥獣人物戯画』まで遡り、日本は世界的にみても古い段階から戯画の伝統を持っています。その後、浮世絵にも取り入れられ、滑稽な略筆体の作品が制作されるようになりました。葛飾北斎は全てが戯画ではないものの作品に『北斎漫画』という表題を付け、また十返舎一九の『東海道中膝栗毛』、歌川広重の『東海道五十三次』など、江戸時代には戯画のセンスが伺える作品も多数見られるようになります。広重の『東海道五十三次』のなかでも『赤坂』は特に戯画的な趣の濃い作品として知られています。

4.鳥羽絵作品の特徴について

葛飾北斎、歌川といった一流の浮世絵師たちまでも戯画に取り組んだことが鳥羽絵の特徴です。鳥羽絵は日常生活を題材とし、軽妙な墨書きの滑稽な絵でその人気は近代にまで及びました。鳥羽絵を洗練させたとされる大坂の「耳鳥斎(にちょうさい)」を始めとし、時代や地域により変化しながらも笑いの感覚は脈々と受け継がれてきました。

5.鳥羽絵作品の買取査定ポイント

鳥羽絵の買取査定にはいくつか査定のポイントが挙げられます。同じ作家の作品でも、制作年代や保存状態の良し悪しで価格は動き、希少性があるなど付加価値がつけば相場価格を大きく上回ることも期待できるでしょう。また、掛け軸の査定においては真贋を確かめることも不可欠で、鑑定書の有無も重要なポイントです。

代表的な査定ポイント
  • 作者の署名・落款(らっかん)があるか
  • 真作であるかどうか(証明書や鑑定書があればなお良い)
  • 付属品の欠けはないか(共箱・共布・栞などが揃っていれば査定額は上乗せできます)
  • 希少性が高い作品どうか
  • シミ汚れ、欠けなどがなく保存状態は良好か
  • 掛け軸の大きさ(高さ、横幅をご確認ください)

6.代表的な鳥羽絵作家の買取相場価格について

オークションで取引される鳥羽絵の掛け軸作品は、作品の出来栄え、画題や保存状態などによってその価格帯は幅広く、制作年の古い作品ほど希少価値が高くなる傾向にあります。また、署名や落款がなく作者がわからない掛け軸でも、実は有名な作者の作品であることが判明して高額な査定額になるケースもあります。

歌川 国芳 作 『みかけはこわゐがとんだいい人だ』

歌川国芳は「奇想の浮世絵師」や「江戸のポップアーティスト」など多様な異名を持っています。歌川国芳の『みかけはこわゐがとんだいい人だ』という作品は、オークションにて46万円で取引されました。もともとオークションでの落札予想価格は30万円でしたが、落札予想価格を16万円も上回る額で落札されました。サイズは36.0cm×23.8cm、真贋不明な作品であったものの著名作家であることから高値がつきました。真作と保証される作品では数十万円から数百万円の落札につながっているので、作品によってはかなりの高額査定が期待できる作家のひとりです。

鍬形 蕙斎 作 『紹真銘飲中八仙戯画圖』 

鍬形蕙斎は北尾重政に学美、黄表紙の挿絵画家として世に出ました。その後、江戸の鳥瞰図を描いて有名になり数多くの作品を制作しましたが、市場での取引事例は多くありません。サイズが45.0cm×76.5cmの『紹真銘飲中八仙戯画圖』という作品は1万円で落札されています。鍬形蕙斎の作品は作品の種類によって価格が大きく変動するほか、市場に出回る作品が少なく希少価値が高いことから高価買取も見込めるでしょう。

歌川 国芳 作 『七福神図』

歌川国芳が遺した作品は数は多いものの、鳥羽絵の作品は少ないため高額取引が期待できます。54.9cm×84.9cmの『七福神図』と名付けられた真贋不明の作品がオークションで取引された際には、130万円の価格で落札されました。歌川国芳の作品は十数万円から80万円前後の落札事例が多く、真作保証されたものであれば100万円以上の価格で落札されることもあります。

7.鳥羽絵作品の買取についてのまとめ

鳥羽絵は軽妙な筆致で、笑いを呼ぶ画風として人気を集めました。見た目の面白さが評価されると同時に、歴史風俗的資料としても高い価値を持ちます。古い時代の作品や有名な作家の作品、保存状態がよく、掛け軸に欠かせない箱など付属品が揃っていれば高価買取も見込めるでしょう。もし物置などに眠っている鳥羽絵の掛け軸がある場合、思わぬ高値がつくこともありますので一度査定に出してみませんか。

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