役者絵(やくしゃえ)の掛け軸買取を実施中!【SATEeee掛け軸買取】へ

1.役者絵作品を売りたいお客様へ

役者絵は、江戸時代から明治時代にかけて描かれた浮世絵の様式のひとつです。浮世絵の中で美人画と匹敵するほどの一大ジャンルとして確立されました。役者絵の査定ポイントを歴史、有名作品、落札事例について解説しながらまとめましたので、役者絵の作品をお持ちの方は参考にしてください。

このページの目次

2.役者絵についての解説

浮世絵は江戸時代の町人の日常生活を描いた絵のことですが、なかでも役者絵は歌舞伎役者や舞台、書割(かきわり)、大道具、小道具から歌舞伎を楽しむ人々など描いた作品です。当時の都市生活において最大の娯楽であったのが歌舞伎で、その人気の高まりは役者絵の発展を促しました。ポスターやプログラムなど版画が出版されたほか、次第に役者の楽屋での姿など、舞台裏を描いた版画も人気になっていきました。

3.役者絵についての歴史

江戸時代の歌舞伎の中心地は江戸と上方(京都と大坂)でした。そのため役者絵も江戸と上方の両地で制作され、東西で活躍する絵師たちが、それぞれの地域の人気役者を生き生きと描いていきました。次第に江戸と上方で同じ演目や役者を描いた絵が生まれるようになりましたが、舞台の細部までを色鮮やかに表現している江戸の役者絵に対し、上方絵では背景を抜きにして役者に焦点を当てて描かれました。

4.役者絵作品の特徴について

浮世絵は地方では江戸絵とも呼ばれ、江戸を訪れた人々が、故郷に帰る際の土産物として、軽くてかさばらず美しい浮世絵を好んで選んだことから、江戸以外の地域にも浮世絵の存在が知られるようになりました。役者絵が流行するにつれてこの分野で特に名を馳せる絵師も多数現れ、特に有名な作家は、当時一世を風靡した歌川豊国(とよくに)です。役者絵の注目が集まるにつれて“歌川派”は揺るぎ無い地位を築き、歌川豊国もその一派の一人です。

5.役者絵作品の買取査定ポイント

役者絵の掛け軸の買取は、有名作家の作品や状態の良い役者絵作品なら市場価値は高いですが、真作証明できるとさらに高い買取が期待できるでしょう。さらに傷やシミがない状態であればプラス査定が期待できます。年代等が不明の古い作品であっても、希少価値が高い作品などは高価買取となるケースもあります。

代表的な査定ポイント
  • 市場価値はあるか(有名作家の作品なら多少劣化していても高値が付きます)
  • 保存状態は良好か(補修せずにそのままお持ちください)
  • 真作(本物)かどうか(サインや落款が確認できるか、いつの時代の作品であるか)
  • 掛け軸の素材の質、種類
  • 付属品の欠けはないか(共箱・共布・栞などが揃っているか)

6.代表的な役者絵作家の買取相場価格について

作品の出来栄え、画題や保存状態などによって役者絵の掛け軸の価格帯は幅広いです。数千円から数億円のものまで存在し、制作年の古い作品ほど残存数が少なく希少価値が高い傾向にあります。著名作家の作品であればより需要があり、高額な査定も期待できるでしょう。

歌川 豊国 作 『庭前江戸俳優と美妓夕涼みの圖』 

歌川豊国は江戸時代の浮世絵師で、理想の美しさを表現した役者絵で絶大な人気を得ました。歌川豊国の『庭前江戸俳優と美妓夕涼みの圖』という作品はもともとの落札予想価格は20万円でしたが、落札予想価格を上回る約32万円で取引されました。サイズは59.7cm×35.6cmで真贋不明な作品であったものの高値がつきました。歌川豊国の真作であれば、作品の画題、状態によっては100万円を超える買取も期待できるでしょう。

東洲斎 写楽 作 『二代瀬川富三郎の大岸蔵人妻やどり木』

東洲斎写楽は江戸時代中期の浮世絵師ですが、約10か月の短い期間に役者絵を始めその他の作品を版行したのち、忽然と画業を絶って姿を消した謎の絵師として知られています。『二代瀬川富三郎の大岸蔵人妻やどり木』と名付けられた東洲斎写楽の作品がオークションで取引された際には、32万円の価格で落札されました。出自や経歴についてたくさんの謎を残した東洲斎写楽は人気の作家であり、数百万円での落札が基本で1200万円以上の価格で落札されることもありました。

歌川 国周 作 『開化三十六会席 赤坂八百勘』

幕末から明治にかけて浮世絵師として活躍した、歌川国周。数多くの役者絵を残しており、そのため市場でも取引事例は多いです。『開化三十六会席 赤坂八百勘』という作品ではサイズが35.3cm×23.4cm、真贋不明という条件でしたが12万円で落札されました、作品の種類によって作品の価格が大きく変動しますが、歌川国周の役者絵は平均して20万円前後の落札価格になっています。

7.役者絵作品の買取についてのまとめ

役者絵に描かれたのは、当時の人気役者たちの舞台での姿をはじめ、楽屋での様子や日常の姿などでした。役者絵は海外でも人気があり世界の名だたる美術館のコレクションにもなっているほか、また個人コレクターも多数います。ご自宅に眠らせている役者絵をお持ちの方は一度査定に出されてみてはいかがでしょうか。

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